第一章
双葉を通して見る世界のはじまり
私は母を亡くすまで、当たり前の毎日が奇跡でできていることに気がつかず、何か願いが叶う時が奇跡だと思ってしまっていました。しかし何気ない毎日が奇跡そのもの。ずっと奇跡の中にいたんだと気付かされました。母が亡くなり凄く悲しくて、その悲しさや感情を絵にぶつけているとなぜか双葉を描いていました。最初はなぜ描いているのかわかりませんでした。でも、時が経つにつれて、双葉を描いている意味が少しずつわかってきました。
双葉は新芽です。見渡せばどこにでも芽吹いている存在。だけどちゃんと意識をしないと見えない存在でもあります。私は双葉で身近にある当たり前を表現していたんだと気づきました。私の後悔は双葉というアートに生まれかわっていました。双葉は、自分の中では後悔の象徴だけれど、社会の中では希望の双葉として表現していく第一歩がそこから始まりました。
ちょうど母を亡くした時は全てが上手く行っていない時でした。その時私は、吃音症がひどくなり人と話すのが怖くなり、社会不適合になっていたころ、唯一の理解者の母を亡くし目の前は真っ暗になっていました。
もうだめかもしれない。
そればかりが頭の中にありました。
無理とダメに溢れた世界では自己肯定感が気づけば0になっていました。恐怖や不安などが入り混じり現実を直視したくなくて絵という表現の中に逃げました。
月日が経つ中で、ある時、なぜかこの後悔や苦しみは自分だけなのか?と思いました。その時、この経験を社会にシェアしたらこんな自分でも誰かの役に立てるかもしれないと思って、わけもわからないまま双葉を描いて「双葉を通して見る世界」をつくっていました。それは訪れた人が身近にある当たり前に気づく場所です。 その時の私は存在理由、生きる意義や目的を探していたのかもしれません。
第二章
恐怖と不安の中で
そこから社会にビビりながらも、自分で勝手につくりだした意義(身近な当たり前に気づく場所)を糧にして活動をはじめました。この活動は「身近な当たり前を常に意識をしよう」ではなくて、たまにふと身近な存在を感じる場所を社会に作り出すことを目的としています。そのためにこっそり双葉を、カフェやコインランドリー、人が通る場所に潜ませるアートをはじめました。最初は絵だけでしたがいつの間にか、ハガキとチケットが生まれました。
活動当初は、人とほとんど話せないし、上手く思いを言語化ができなくてよく人に「?」と思われていました。笑 玄関を出ると身体が硬くなる感じで身も心はいつも緊張していました。
そして活動をしていく中でなぜか世界を温めたいと思うようになりました。子供の頃の私は、吃音症とチック症がひどくはたから見たらおかしな人間でしたから、虐められたり、笑われたりしてきました。なぜかそのことが家族や知り合いにバレるのが恥ずかしくてずっと隠してきましたが、ある時高校を辞めたのをきっかけにバレてしまいました 笑
せっかく今まで我慢したのですが限界はあっさり訪れました。
まだまだいろいろありましたが長くなってしまうので省略します 笑
人にはその人にしかわからない苦しみや葛藤があります。その苦しみは学びにはなりますがずっと苦しいと心は壊れてしまいます。そのことから、今の私があるのは一重に温かい人が周りにいたということでした。私が生きている環境が冷たい世界だったら私はここにはいないことに気づきました。その時この温かさをつくりたい、これは今の世界に必要なんじゃないかと思いました。
だって冷たい世界より、温かな世界がいい。
それは本来全ての人にあるべき世界ではないでしょうか。温かい世界であれば色んな問題が解決しているのではないかと、そこに可能性を感じたのを今でも覚えています。でも世界を温めるためには何かエネルギーがいることに気づきました。その時、人々の後悔をエネルギーにして世界を温めようと思いました。なぜなら私が描いている双葉は私にとっては後悔の現れだったからです。
表現は不思議で、後悔がベースでもそこから希望が現れたりします。
そこから「双葉を通して見る世界」は世界を温める発電機になりました。これが循環型アート、ソーシャルアート作家になるきっかけでした。ソーシャルアート作家とは、競争社会で見落としやすい視点をアートを通して創り出す意味で使っています。
この後悔の元をエネルギーにした発電機の仕組みは以下の通りです。
私たちの後悔は共通して「伝え忘れ」と「やり忘れ」からできています。展示会(双葉を通して見る世界)は、当たり前に気づく場所です。アンケートがありそれを答えていくと、身近にいる大切な人がわかるようになっています。
双葉を通してみる世界の展示会の様子
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双葉のアンケート
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アンケートと一緒に、そこには双葉ハガキと双葉チケットも置いてあり誰もが自由に使えるようになっています。双葉ハガキは、身近な人へ伝え忘れを書いてもらいます。そうすることで、温かな気持ち(エネルギー)に変換する役割を担います。
双葉チケットは、身近な人へやり忘れていたことを書いてもらいます。そうすることで、温かな行動(エネルギー)に変換する役割を担います。
ハガキとチケットの事例
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この活動の1番大切な所は、この手紙とチケットを身近な大切な人へ渡してもらうということです。
これが、双葉を通して見る世界の効果(世界が温かくなる仕組み)です。この温かなエネルギーが循環したら悲しいことが減るのではないでしょうか。
もしかしたら私は愛が世界の末端まで循環する温かな社会をつくりたいのかもしれません。
ぜひ双葉に出会いましたら、身近にある奇跡に目を向けてみてください。
最後に
何かが上手くいっている時は誰かの犠牲(おかげ)がそこにあります。上手くいっている定義は自分が生きていることだとした時、誰かの犠牲(おかげ)で私たちは生かされています。全ての人がその存在を感じることができたらどのような未来になるでしょうか?
私たちの特性の中に、今生かされている環境が成り立っている理由の中にある、小さくて見えないミクロの世界がおかしくなると私たちは上手くバランスがとれなくなってしまいます。ここでいうミクロとは当たり前過ぎて意識をしないと気づかない存在です。
私たちは様々な要因が重なり、「素直にごめんなさい」や「ありがとう」が言えない世界で生きやすいです。それによって1番身近なものとの関係が崩れやすい世界で生きてしまいやすくなり、平穏な日常を失ったまま生きている場合があります。それに慣れてしまうと、そのようなあり方が当たり前となり、気づかないまま偏った生き方をしてしまいがちです。
でも小さくて見えないミクロの世界の一つ一つに愛が宿っています。愛は感謝を包み込む優しいフィールドです。感謝は「ありがとう」と「ごめんなさい」で表すことができ、素直な心がこもった「ありがとう」や「ごめんなさい」が滞らずに循環していることが私たちの平穏な日常を守り持続させ、時には取り戻してくれるきっかけとなると思っています。 双葉を通してみる世界は素直に「ありがとう」や「ごめんなさい」が、言える世界を目指しています。
双葉ギャラリー
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募集要項
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