∞blue

∞blueの土台

∞の概念は、数学、科学、哲学、宗教など、人類の多様な分野で重要な役割を果たしてきました。数学と科学では、∞は微積分や物理学などの基本的な理論を形成し、世界を理解するための手段となり、哲学や宗教では、∞は絶対的な存在や永遠性を象徴し、人間の存在と宇宙の本質についての深遠な洞察のきっかけとなってきました。これらの要素は、人類の歴史を通じて、私たちが今まで生きて培ってきた財産でもあります。この私たちが皆んなで作り上げてきた普遍的な価値と意義と、人類が生まれてから積み上げてきた∞のイメージの上に私は「∞ blue」という世界をつくりました。

∞blueとは

∞blueは有限の存在についての無限の可能性を意識し、考えることで、不安が生み出す「ネガティブな可能性」を解決し、さらには未来を、より自分にとって大切な生き方へと実現していく。これが、∞blueの「可能性は無限、しかし、存在は有限。」というテーマが持っている重要な意義です。このような考え方を、アート作品として、視覚化したものが『∞blue』です。それは不安なことを一度改めてポジティブに変換したり、マイナスな思考によって見えなくなっている、可能性に気がつくアート装置でもあります。

絵の構成要素

「blue」

私たち人間はどうしても全ての可能性は見えません。その宿命の悲しさを深いblueで表しました。

「∞」

その見えない可能性を見ようとする無限の可能性を∞で表しています。

「表面の凹凸」

見えない可能性の連鎖、繋がりを表しています。

コンセプト

見えない可能性を見る時間を社会の中に増やす。

∞blueは、ポジティブな社会性の輪を広げることを目的としたソーシャルアート作品になります。

私たちは「何かをしたい」と思って、興味を持つとそれについて考えます。しかし、それを考える時、リスクやマイナスな想定をすることで、ついついネガティブな思考に偏ってしまい、純粋に成功について考えることが出来なくなってしまうことがあります。つまり、不安と対峙した時、消えてしまう、多くの未来とその可能性があるということです。

こういった考えの中、「私たちは、可能性に対して、対等な関わりを持つことが苦手な存在なのではないか」という問いを感じたことで、∞blueは生まれてきました。

ここでいう対等な関係とは、物事の可能性を考える上でプラスなことと、マイナスなことをバランスよく考えて判断をすることです。例えば組み合わせや、シュチュエーションを変えたりすることで一見マイナスに見えることも、プラスに変わる可能性があります。これは一つの有限なことを無限の可能性（多角的な視点）で見ることで、思いがけない発見や、不安の解消に繋がり、新たな選択肢が自然と生まれていきます。

∞blueにある2つのテーマ

➀ 可能性は無限、しかし存在は有限

∞blueは、無限の可能性に目を向けようというソーシャルアート作品でもあり、私はこのアート作品を作る際に、人間の無限の可能性を表現するためには、反対に、無限ではない「有限のもの」で構成されている現実の世界について丁寧に認識することが、むしろ大事なのかもしれない、と考えるようになりました。思考や想像の中の可能性は無限に広げられるけれど、しかし、現実の世界はやはり有限なのだということ。この両者を丁寧に感じることで、私たちはより柔軟な思考になることができ、人としての在り方の許容範囲も広がり、与えられた時間をより良く生きることができるのではないかと思っています。つまりこれは、世界が有限であることでの、その尊さや大切さに気づこうとする、人間の無限の可能性を表現したシリーズなのかもしれません。

➁ 未来への不安と向き合うこと

例えば、自分の体、動ける時間、使うことのできるお金や資源、これらはもちろん「有限のもの」です。そしてこれについて、「これだけしかない。」とか「この限られたものの中でどうやって生きればいいんだろう。」などと考えていくと、不安も絶えず、それこそ、その不安は無限に生まれてしまいます。この「無限に生まれてきてしまう不安」は少し厄介で、それは「ネガティブな可能性」であり、それも可能性である以上、やはり無限なのです。しかしこれに対してもやはり、「有限のもの」についての可能性を、様々な視点で、丁寧に認識し、そして柔軟に考えていくことは、より実践的な視点で物事を解決する新たな可能性を生み出すことにもなり、これが「無限に生まれてきてしまう不安」を現実的に解決してくれる新たな可能性となります。