作品名 adopt(アダプト)
adoptには採用するという意味があります。それは「競争」ではなく「創造」する感覚を身近にするアート作品でもあり「競争社会」から見ると軽視されやすい、でも実は大切なadoptを可視化するために作った作品になります。
この作品はフェイクグリーンと丸い絵という二つの要素により「共存のモザイク」をビジュアル的に表現した作品です。フェイクグリーンは、自然の力や社会の規範、大規模な組織のルールなど、広大な世界の流れを表現しています。このフェイクグリーンは、自然界の力そのものを思わせるような植物のような形を模しており、生命の本質、つまり不可避かつ無情に進行する大きな世界の流れを象徴しています。
それと対比するように配置された丸い絵は、それぞれの個性や心を表しています。これらの絵は様々な色の絵の具が飛び散った形跡からなり、それぞれの異なる個性や視点、感情を象徴しています。
これら二つの要素が一つの画面上で重なり合い、時にはフェイクグリーンが丸い絵を覆い隠すことで、社会や大きな世界の力が個性や多様性を抑え込む様子を表していたり、また、その中から所々見える丸い絵は、そうした大きな流れの中にも確かに存在する多様性の響き合いと共存の可能性を示唆しています。
何かと何かがぶつかりあった時、片方が打ち消されたり、見えにくくなる場合があります。それを私たちは、モザイクと呼んでいます。それに対し、「共存のモザイク」はそのような状況を回避する概念です。互いが交わっても、どちらかが見えなくなることなく共に存在できる状態を目指します。
adoptコンセプト
無駄の再定義
今私たちは、利便性や生産性を最優先する大きな流れの中にいます。そしてその流れは加速する一方です。その視点から見たときに「無駄」とみなされてしまう、多くのことが沢山あります。例えばそれは、各個人の個性や視点、感情などの要素と繋がった人間らしい領域です。今それが、簡単に切り捨てられてしまい、遊び心がない、堅苦しい環境が沢山生まれています。それは、心を病みやすい社会性として、現実に現れています。
働いた結果、心を壊してしまった人は沢山います。そして、今もその予備軍が沢山いるのです。働いて苦しくなるのは、堅苦しい環境があり、心を張り詰め続けて、緊張を解く時がないからではないでしょうか?そのような多様性が低い環境下だと、心はすり減っていきます。そのような相互理解が薄い環境で、豊かなコミニュケーションは生まれるものでしょうか?ただ仕事をこなす機械でなく私たちは生身の人間であることを忘れてはいけません。
また、毎日会う同僚のことをどれだけあなたは知っていますか?私たちの多くは、利便性や生産性に偏り、大切なことを見落として環境をより良くしようとしています。
見落としたまま、改善したとしても、利便性や生産性が見直されるだけで、機械的な方向性になりがちです。私たちはこれを改善するために無駄の再定義を行います。「無駄」として見落とされてしまったものを再評価するきっかけを作り、その中に潜む隠れた価値を見つけ出すことをサポートします。
無駄とされる要素に目を向け、その中に隠れた価値を見つけることで、新たな可能性を見つけ出します。それは、これらの要素が企業内の多様性や創造性を自然に高めてくれる要素だからです。
adoptプロジェクトの大切な要素
➀「無駄」の再定義
私たちは一見無駄と見える要素に新たな視点を持ち込み、その中に存在する「見えない価値」を発見します。
➁ 多様性の尊重
個々の違いを認め、理解し、尊重することで、より深い共感と協働が生まれる企業文化を推進します。
➂ 共有と学び
見つけ出した「見えない価値」を共有し、それを通じて組織内で深い理解と共感を育みます。
➃ バランスの保持
効率性と生産性の追求と、人間らしさと多様性の保持との間でバランスをとることを重視します。
これらの要素を通じて、adoptプロジェクトは企業内での多様性の受け入れと共存を促進します。
adoptアートサービスとは
企業に特化したアートサービスになります。このアートサービスは「共存のモザイク」と「コンプレックス・マゼ」の二つの観点を統合することで、組織内での多様性の受け入れと自己肯定感の維持という二つの重要な課題に対する解を企業に提供するアート作品です。
adoptサービス「共存のモザイク」とadoptカードの具体的な流れは以下の通りです。
この作品は、生産性や利便性から見た時、無駄に見えてしまう大切な価値観(人間らしさ)を可視化して、共有するコミニュケーションが生まれるようになっています。それにより自然に組織全体の多様性を高め、より創造的で生産的な組織文化を形成することを促すことが可能になります。
「共存のモザイク」は外側の力により隠されてしまう領域にアプローチができます。「コンプレックス・マゼ」は内側の力により隠されてしまう領域にアプローチができます。この社会的な圧力と自分からの圧力を緩めることで見える視点を大切にする時間は、人間らしい感性や価値観を思い出す時間でもあります。
これが多様性が高い企業を目指すにあたり、どうしても必要になってくる、基礎的な部分であると私たちは考えます。
adopt 全体図
adoptアートサービス①
「共存のモザイク」
共存のモザイクは、企業の職場環境において従業員同士が互いの違いを理解し、尊重し合うことを促すプログラムです。このプログラムは、多様性を受け入れることで、職場内のチームワークやイノベーションを向上させることを目指しています。
adoptワークシート(A3サイズ)
【手順】
➀ ワークシートの配布
企業内でワークシートを無料で配布し、従業員の皆様が自分の考えや経験を共有できるようにします。
➁ ワークシートの記入
従業員の皆様は、用意された問に答えます。
➂ adopt専用ボードへの掲示
完成したワークシートを企業内の専用ボードに貼り、従業員と皆様と共有します。
➃ ワークシートの共有と理解の深化
従業員の皆様は他の人のワークシートを見て、共感や理解を深めることができます。これにより、職場内での無意識のジャッジが減り、互いの違いを尊重し合う文化が醸成されます。
ワークシートには以下の6つのリストが含まれています。
➀ 比較しなくても良いこと
自分の独自性や個性、外発的な価値、内発的な価値など比べなくても良いことをリストアップしてください。それらの比べなくてもいい領域を理解することで、比較することによってこれまで消費していたエネルギーが、本来必要なことや本来の目的へエネルギーが向かい始めます。
このように自分と他人を比較しなくなることで、自分の個性や独自性を受け入れやすくなり、こんな自分でも良いんだと気づくきっかけとなります。そのとき初めて自分の価値に気付くことができ、それは仕事をする上でも前向きな姿勢や自信を構成する大切な要素の一部となります。
それにより、より良い循環が生まれます。
例)
・性格や個性の違い
・学歴や出身校
・お互いが持っている特技や才能の優劣
➁ 自分の人生をシェアしよう
自分の過去を振り返り、大切だった出来事や経験をリストアップしてください。
過去というキーワードで特定のことが思い浮かばない方は、今まで生きてこれた理由や、自分を支えてくれた要素をリストアップしてください。
自分の人生や経験をオープンに共有することで、相互理解が深まり、誰もが参加しやすい多様なコミュニティが育ちます。
例)
・身につけたスキルや専門知識
・ペットや動物への愛着やエピソード
・芸術やクリエイティブな才能
➂ 社内の人の人生を理解しよう
社内の中で誰でも良いので、その人の人生での大切な出来事や経験をリストアップしましょう。
この理解が深まると、異なる背景や特徴を持つ人たちが、互いの違いを認め合い、一緒に成長できる環
境を共に作ることができます。
例)
・異なる教育レベルや背景を持つ人々
・異なる家族構成や状況を持つ人々
・人生で一番辛かった出来事とその時の乗り越え方
➃ 社外で興味がある人の人生を理解しよう
社外の中で誰でも良いので、興味があったり理解を深めたい人々をリストアップしてください。
自分とは異なる背景や視点と出会うことで新しいアイデアや解決策を生み出すことが可能になります。
これにより、企業は競争力を維持し、時代による業界の変化に適応できるようになります。
例)
・異なる職業や専門分野の人々
・異なる言語や方言を話す人々
・異なる文化や国籍の人々
➄ お互いにサポートできること
関係ない視点にも価値があります。貴方が属している組織はいくつかのチームで作られているとした時、自分が属している組織の中で、自分は参加していない部署やチーム(他者の分野)があります。
一見自分とは関係なく切り離して考えてしまいやすいのですが、それに対して貴方が思うことや気づいたことを自由にリストアップしてください。
例)
・スキルや知識の共有
・自分の中にあるコネクションの提供
・分野外の視点
➅ 学びたいことや成長したい分野
あなたが今、学びたいと思ったことや成長したいと思ったことを自由にリストアップしてください。
それを多角的に見ることで企業の成長のヒントになるかもしれないです。貴方の考えは他の仲間の興味ややりたいことと結びついて、新たな企業の価値となる可能性があります。その結果としてそれが仕事の中で学べるようになるかもしれません。これは一人一人の興味をシェアしたとき、それぞれのやりたいことが結びついて新たな価値の創造につながります。
例)
・未経験の分野やスキルの習得
・新しい言語や文化の習得
・自分の苦手を克服するための対策法
このプログラムは、多様性を受け入れ、共存する職場環境の実現を目指す参加型の取り組みです。企業にとっては、職場内の多様性が活かされ、チームワークが向上し、生産性やイノベーションが促進されることが期待できます。
adoptアートサービス②
「コンプレックス・マゼ」
◆名前の由来
➀ コンプレックス
(Complex)
自己否定や自己価値感の低さを意味し、個人が抱えるネガティブな感情や不安の源です。
➁ マゼ(Maze)
迷宮や迷路を意味し、コンプレックスは複雑で1人では抜け出しにくい状況や感情を表現します。また、本来メイズと読みますが、コンプレックスを混ぜたコミニュケーションをここでは推奨していますので、ローマ字読みでマゼとしています。
➂ サポート(Support)
人に寄り添い、理解や助言、エンカレッジメントを提供する意味を持ちます。
コンセプト
いつの間にか始まるコンプレックスから生まれる自己肯定感の低下に気づく環境により作り出された上手くいかなかった過去が、コンプレックスとして記憶に焼き付き、記憶がそれを事あるごとに呼び起こします。それは呼び起こされるごとに、マイナスな方向へ解釈が進みやすいものです。その解釈を続けていくと脳内で助長され増幅した記憶(コンプレックス)と自己を反発させてしまい、それが自己肯定感の低下として現れてしまいます。
adoptカード
このadoptカードは、コンプレックスを使ったコミニュケーションを一対一で行う場合とグループワークで行う場合の二通りの使い方があるものです。
【手順】
➀ 2人から3人くらいのグループを作ります。
➁ aのカードをランダムに机の上に並べます。
➂ 順番に1枚引いていきます。
➃ 引いたカードに対して皆んなで答えていきます。
➄ それを繰り返します。
➅ 最後にbを実践してください。
コンプレックスは見せてはいけないものだと思いがちだけど、それを共有することで新たな発見があります。
【adoptカードの役割】
コンプレックスを抱える人々の具体的なアクションをサポートします。
チーム内でカードに取り組み、コンプレックスを共有し合うことで、多様性が高まりコンプレックスを克服できる可能性を高めます。
また、自身の課題に向き合い前向きな変化を実現するための手段を見つけ、自己理解と他者理解を同時に進めるサポートを提供します。
【adoptカードの詳細】
a-1「挑戦の共有」
自身のコンプレックスをグループになった人と共有します。お互いが相手に自身のコンプレックスについて話します。同じグループの人はサポートやアドバイスをします。
➀ 前向きなアドバイスを心がけましょう。
a-2「自己評価の再構築」
自身の強みや成果に焦点を当て、話してみましょう。自身の強味が言えない仲間がいましたら皆んなで教えてあげてください。お互いの自己肯定感を高めましょう。
➀ 同じグループの人の良いところを沢山見つけてあげてください。
a-3「自己受容の探求」
メンバーは自身がコンプレックスを抱える理由や、自身を受け入れるための方法について話し合います。自己受容に向けた思考や行動の変化を考え共有し、お互いにサポートし合いましょう。
① コンプレックスが生まれる理由を考えてみましょう。
例)人の目を気にしすぎてしまう。
② その理由に対して、解決策を出し合ってください。
a-4「共感と結束」
社内グループ内で同じようなコンプレックスをさがしてみてください。意外な共通点が見つかるかもしれません。
例)話すのが苦手、思いを言葉にすることが苦手など、苦手や自分がやろうとしても難しいことはを考えてみましょう。
a-5「新たなセルフイメージの構築」
メンバーは自身のポジティブな特徴や成長の可能性に焦点を当て、それを他のメンバーと共有します。お互いに称賛やそれを深めながら、ポジティブなセルフイメージの構築を支援し合いましょう。
① グループ内で順番に自分の可能性を発表してください。
② わからない人がいましたら一緒に考えてあげましょう。
a-6「アクションプランの策定」
コンプレックスを克服するための具体的な自身の目標や望む変化を明確にし、それを達成するためのステップや行動を計画します。協力し合いながら考えていきましょう。
① 具体的にこれからの日常で何にトライするかを考えていきます。
② それをグループ内で共有します。
③ わからない人がいましたら一緒に考えてあげましょう
b「マインドフルネスの実践」
今回チャレンジカードを行ってみて、今の自分白身の思考や感情を観察し、チーム内で共有してみましょう。